税理士が使いこなす 改正国税通則法
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2課税要件事実の認定課税要件と課税要件事実1 課税要件に該当する事実が、「課税要件事実」である。課税要件事実が存在すると、課税要件が充足することになり、租税債権の発生という法律効果が生じる。 先ほどの例でいえば、「個人間で贈与契約が締結されること」が、贈与税の課税要件であったが、当該課税要件の該当する具体的事実、例えば、「X(個人)が、平成25年12月31日に、Y(個人)に対して、100万円を贈与する旨の合意をした」という事実が、課税要件事実となる。課税要件と課税要件事実《課税要件》個人間で贈与契約が締結されること 具体化《課税要件事実》X(個人)が、平成25年12月31日に、Y(個人)に対して、100万円を贈与する旨の合意をした(多くの場合、時的要素を含む)課税要件事実と争点2 課税要件事実の存否に関して、納税者と原処分庁・国との間で、見解が一致しない場合がある。納税者と原処分庁・国との間で、課税要件事実の存否に争いがある部分を「争点」という。 争点が、審査請求・税務訴訟における、主たる審理の対象である。審査請求については、いわゆる弁論主義の適用はないから、法的には、納税者と原処分庁・国のいずれも主張していない課税要件事実を審理の対象とすることは可能である。ただ、納税者への不意打ちを防止するために、争点を中心とし45第3節課税要件論
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