はしがきこのたび、株式会社清文社のご協力を得て表題の『税理士から顧問先へ伝えたい税務自主監査の着眼点』を刊行することとしました。令和の時代に入り、感覚的に日本においてもグローバル化の波・IOT化・デジタル課税の行方・消費税の増税を奇貨としたキャッシュレス化の推進等、慌ただしい雰囲気の中、税務においても今まさに劇的な変動期を迎えています。すなわち法人税・消費税の分野においては、令和2年(2020年)4月開始事業年度からは資本金1億円超の法人については電子申告の義務化がなされ、また、令和5年(2023年)10月からはいよいよ消費税についてはインボイス制度(適格請求書等保存制度)の導入が決定しています。そのような状況の中、すでに国税庁においては、税務・決算処理について、法人の処理に誤りが生じやすいと認められる事項について「大規模法人における税務上の要注意項目確認表」や「同解説編」を公表しています。これらは各法人が誤りのない、適切な申告納税を行うための具体的な税務処理上の指針となっています。そこで、この内容をさらに掘り下げ、税理士はどのような視点で自主的な税務監査をすべきか!また税務調査においては、どのような処理について注目されているのか等についても折々に触れながら、大規模法人の税務担当者はもちろん、中小法人における担当者の方にも自発的に取り組める税務監査のマニュアルとしてご活用いただけるよう、解説を心がけたつもりです。本書は法人税、消費税について、過去、国税調査官として税務調査に携わったわれわれの経験も踏まえて、申告書作成や勘定科目について、法人が自主的な税務監査に積極的に取り組み、さらに税理士が顧問先にむけて
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