調査官目線でつかむ セーフ?アウト?税務調査
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9第1章税務署はあなたのブログも覗いてる一つ目は「机上調査」です。机上調査は、読んで字のごとし、机の上で調べることをいいます。各税務署には、納税者から提出された書類をファイルした「調査カード」と呼ばれるものがあります。その中身を一枚一枚、丹念に見て、調査に行く先を選んでいきます。すべてその年に調査に行くわけではありません。実際に着手するよりは、かなり多目にタマを選ぶのです(タマを多めに選んだこの状態を「母体」といいます)。では、多めに選んだタマから実際に調査に行く対象をどうやって絞るのでしょう。国税庁は、「KSK」というシステムを導入しています。KSKとは「国税総合管理システム」の前段をローマ字表記した「K4OKUZEI S4OUGOU K4ANRI」の頭文字をとった略語で、納税者に関する様々なデータをそのシステムによって管理しているのです。KSKには、毎年提出される申告書のデータはもちろんのこと、調査官が日々の生活の中で、実際に見聞きした情報もデータ化され蓄積されています。では、「調査官が見聞きした情報」とは、どんなものなのでしょうか。例えば、筆者はちょうど本書の執筆をしているときに、山手線のとある駅の近くでお昼ご飯を食べたことがありました。隣には、70代くらいのマダム二人がお喋りをしていました…。

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