税理士が身につけるべきコーディネート力
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事例において、ケーススタディ(失敗事例)と税理士的視点・その他の視点からの対応策、その実務的な補足説明を入れています。全事例が独立的な形で記載されておりますので、どの事例から読み進めていただいても構いません。実務で既に遭遇した事例、今現在携わっている事例などの参考にしていただければ幸いです。第3章は「タワーマンション」「会社の貸付金」「金庫株」「認知症の親」を題材とし、「複眼的視点」を養うための章としました。相続実務に携わった15年以上前から毎日思い続けていた部分であるため、私個人にとっても思い入れのある章です。同じ事象であっても視る人が変われば、考える事が変わるということをこれまでの経験から学んだ集大成の章ともいえます。第4章は「特例事業承継税制の複眼的な検証」として、ビジネス的視点・法務的視点・税務的視点として、この税制を捉えています。企業の永続性を要件としている以上、その永続性を保てる仕組みが最も大切になります。その意味で、特例事業承継税制は事業承継を本気で考えるきっかけとしては本当に素晴らしい機会を与えてくれました。このタイミングで永続性を保てる仕組み作りに着手することが今後の中小企業を支えるうえでは大切になるのではないでしょうか。私事にはなりますが、私が19歳のとき、実父がくも膜下出血で急逝しました。45歳の若さです。悲しみに暮れた日々のことは当然ですが、誰に何を相談していいのかわからず途方に暮れたことも同じぐらい強烈な経験として残りました。今思えば、全ての窓口になる「相続の専門家」はいなかったのかもしれません。そのことが今の私を支える原点となっています。本書が多様な相続問題を解決するための糸口になれば幸いです。また、私の相続実務に関して税務以外の重要性をご教示いただいた榊原正二氏(FP)、佐治圭一氏(司法書士)には、この場を借りて深く感謝申し上げます。最後に、本書の刊行に当たり、本当に我慢強く後ろから支えていただいた清文社の藤本優子氏には多大なるご尽力をいただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。2019年6月 税理士 木下 勇人

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