第2章 廃業に至る過程と検討すべき事項31経営悪化売上の減少、利益の減少、取引先の減少などは、言い換えれば業績の悪化です。業績が悪化してきたが、まだかろうじて黒字経営を維持しているが、赤字に転落するのは時間の問題であると経営者が考えたのであれば、黒字のうちに廃業をしてしまえば、損失を被ることもありません。しかし、業績悪化の原因が経営者自身にある場合は、事業承継をすることでの再建も可能です。経営者の若い創業期の頃は、多少の売上の減少などものともせず、事業を継続したでしょうが、高齢になると気力、意欲ともに衰え、少しの後退でも廃業を考えてしまうかもしれません。廃業を検討しなければならないほどの業績の悪化かどうかも、よく検討する必要があるでしょう。外的要因廃業の原因となる外的要因には、①経済情勢の変化、②災害、③制度の改正などがあります。1 経済情勢の変化世界の進歩は予想以上に早急です。技術革新などは日進月歩で進んでいきます。いままで新規参入業者がなく、安定していた業界であっても、突然に別業種の参入があり、ビジネススタイルが大きく変わることも珍しくはありません。2 災 害災害はいつ何時起こるか、予見することはできません。それでも、備え56
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