租税回避をめぐる税務リスク対策
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195第1章 法人税法132条の2の適用を念頭に置いた組織再編成に関するQ&Aすなわち、企業が事業上の必要性に基づいて組織再編成を計画し、事業上の必要性に応じた組織再編成を実行する限りにおいては、法人税法132条の2の適用が問題となることは想定されないということである。もちろん、組織再編成を実施する上で法人税の負担がどのようになるのかという点は大きな論点となろうし、その点の検討は不可欠であろうが、法人税の負担がどのようになるのかについての検討にとどまり、組織再編成を通じて法人税法の負担を減少させるという目的に基づく行為あるいは計算が計画され、実行されない限りにおいては、濫用基準を該当することにはならず、法人税法132条の2の不当性要件が満たされることもないといえるであろう。なお、組織再編成を実行する上で、法人税の負担を減少を検討し、あるいは、法人税の負担が減少するような手法を採用したからといって、すべての場合に法人税法132条の2の不当性要件を満たすものではないが、その場合には、適用される組織再編税制にかかる規定の趣旨等を考慮する必要が生じる場合があるのであり、企業が事業上の必要性に基づいて組織再編成を計画し、税負担の減少のみを目的として一定の行為または計算を実施することなく、事業上の必要性に応じた組織再編成を実行する限りにおいては、その他の点を考慮することなく、法人税法132条の2の適用を問題とする必要がなくなるということが、実務的には重要なポイントとなるのである。

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