租税回避をめぐる税務リスク対策
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82第2編 「不当性要件」についての実務的な観点からの検討5実務上のポイントこのような最高裁の認定するヤフー事件・IDCF事件の構図、さらには、課税当局側のヤフー事件・IDCF事件についての見方を前提にすると、実務的には、法人税の負担を減少させることを目的としたスキームとして、あらかじめ立てられた計画に沿って実行される組織再編成については、課税当局側において、法人税法132条の2の不当性要件を満たす可能性があるのではないかとの疑問をもつ可能性がきわめて高いと考えるべきであり、否認の対象となるリスクが高いということを認識すべきであるということになると考えられる。さらに、そのような場合には、裁判所の判断においても、法人税法132条の2の不当性要件を充足するものとされるリスクは高いものと認識すべきであろう。また、タックス・ドリブンの組織再編成であるとするならば、納税者側においても、法人税法132条の2の適用を受けることについて予測可能性が認められるのが通常であると考えられる。もちろん、法人税の負担を減少させることを目的としたスキームとして、あらかじめ立てられた計画に沿って実行される組織再編成であっても、法人税法132条の2の適用対象とならない場合も存在するであろうが、課税当局において不当性要件を充足するのではないかとの見通しの下に税務調査を進めることになるであろうし、基本的には、更正処分の対象となる可能性が高いものと考えるべきであろう。
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