相続道の歩き方
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あるいはもともと指定されていたりというケースが多くなると思います。 別の意味でいなければならないとき遺贈では遺言の効力発生とともに遺贈対象財産に係る権利が受遺者に移転するので、その限りでは遺言執行という観念を容れる余地がないようにも思われますが、移転手続の場面で遺言執行者が必要になるというケースがあります。たとえば、不動産が遺贈(特定遺贈ないし包括遺贈)された場合、単独での登記申請(不動産登記法63Ⅱ)の例外は適用されないため、受遺者が不動産の移転登記を受けるには相続人(全員)との共同申請(同60)の方法によらなければなりません(→198頁)。相続人全員の承諾と登記申請書類の準備となると考えただけで面倒ですが、逆に相続人がいないという場合にも少し面倒な問題が生じてしまいます。そもそも法定相続人となるべき者がいないというケースでは、本来登記義務者となるべき者がいないわけですから、この場合に遺贈対象の不動産の移転登記を受けようとすると、登記義務者をどこかから調達してこなければなりません。そこで、遺言執行者に就任してもらい、同人を登記義務者とする共同申請という方法をとる必要があるのです。111

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