国外財産の移転・管理と税務マネジメント
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240第3章  国外財産の動かし方と課税関係るまでには3年から4年、長ければ10年もかかると言われています(第2章参照)。 1 国内非公開株式を利用した国外金融資産投資(保有)の課税関係 1 日本での課税関係国外金融資産を内国法人である非公開会社が取得し、保有した場合には、第3節で示した個人での課税関係とは異なり、財産とその果実である所得の帰属が個人から法人に変わるため、主に適用される税法も所得税法から法人に対して課税する法人税法になります。したがって、国外の金融資産から生じる利子、配当、譲渡等の収入は、個人が保有する場合の利子、配当、譲渡等の各種所得区分に応じた課税関係とは異なります。原則、金融資産からの収益は、法人税の所得の計算上、益金の額に算入され、事業関連費用や譲渡損失額を損金額として控除した残額を課税所得として、法人税率を乗じた法人税が課税されます(法法2三、法法22)。【国内非公開会社設立の際の留意点】非公開会社設立は、金銭出資、現物出資の方法があり、手持ちの金融資産を元手に設立する場合は、金融資産を金銭化する際又は現物出資の際に金融資産の含み益がある場合には、出資する個人において譲渡課税がされます。現物出資は、所得税上、売買(新設会社に対する譲渡)として取り扱われるため、時価課税が適用されます。なお、現物出資をするには、原則、裁判所に検査役の選任を申し立てる必要があります。検査役(通常、弁護士等が選任される)は、出資財産の価額が適正か否かの調査を行います。ただし、「市場性のある有価証券」で定款に定めた価格がその相場を超えない場合に現物出資する場合、検査役の調査を必要としません。このため、既に有している「市場性のある有価証券」の現物出資による方法も検討すべきでしょう。1

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