海外財産・海外居住者をめぐる相続税の実務
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第1章/相続税の納税義務の判定と課税財産の範囲4 ②日本国籍を有しない個人(被相続人が相続開始の時において日本に住所を有していた場合に限る)(3)制限納税義務者 制限納税義務者とは、相続又は遺贈により日本国内にある財産を取得した個人でその財産を取得した時において日本国内に住所を有しないものをいいます。(2)の非居住無制限納税義務者に該当する者は除きます。制限納税義務者は、相続又は遺贈により取得した財産のうち日本国内にある財産について相続税が課税されます(相法1の3①三、相法2②)。(4)特定納税義務者 贈与により相続時精算課税制度の適用を受ける財産を取得した個人をいいます。無制限納税義務者及び制限納税義務者に該当する者は除きます(相法1の3①四)。被相続人から相続又は遺贈により財産を取得していなくても、被相続人から相続時精算課税制度の適用を受ける財産を贈与により取得した個人は相続税の納税義務者になります。▶▶▶2相続税の納税義務者別の課税財産の範囲について 課税財産の範囲は相続税の納税義務者別に異なります。その範囲は以下の通りになります。なお、以下の表の相続時精算課税適用財産とは、被相続人から贈与により取得した財産で相続時精算課税制度の適用を受けるものをいいます(相法2、相法21の16①)。 以下の表の法施行地とは、相続税法の効力が及んでいる地域のことですが、相続税法施行令附則第2項で、この法律は、本州、北海道、四国、九州及びその附属の島(政令で定める地域を除く)に施行すると定めており、相続税法施行令附則第2項で、当分の間、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島をこの法施行地から除いています。相続税の納税義務者別の課税財産の範囲納税義務者課税財産の範囲法施行地に▶所在する財産法施行地外に▶所在する財産相続時精算課税▶適用財産①居住無制限納税義務者○○○②非居住無制限納税義務者○○○③制限納税義務者○×○④特定納税義務者--○

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