譲渡所得課税をめぐる費用認定と税務判断
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第3章 ケーススタディ302に支払った違約金(注2) これは、土地などを売却する契約をした後、その土地などをより高い価額で他に売却するために既契約者との契約解除に伴い支出した違約金のことです。(6)借地権を売却するときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など(7)その他その資産の譲渡価額を増加させるためその譲渡に際して支出した費用 なお、譲渡費用は土地や建物を売却するために直接かかった費用ですから、修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売却代金の取立てのための費用などは譲渡費用にはなりません(所基通33-7(注))。(注1) 土地等の譲渡に際しその土地等の上にある古い建物を取り壊して、その土地等をいわゆる更地にして譲渡する場合があります。 不動産所得、事業所得又は山林所得(以下「事業所得等」といいます。)を生ずべき事業の用に供されている建物等の取壊しによる損失は、その損失の生じた日の属する年分の事業所得等の金額の計算上の必要経費に算入することとされています(所法51①)。しかし、その建物等が自己の居住用家屋であるなどいわゆる非業務用のものである場合には、それが災害等に関連する取壊し損失に該当しない限り、その取壊しによる損失は、所得税法第45条に規定する家事関連費として所得計算上特に考慮されないことになります。 次に、土地等の譲渡に際して行われる、その土地の上にある建物等の取壊し又は除却は、その土地等を譲渡するためのもので、いわばその土地等の価値増加のためのものであると考えられ、土地等の取引実態により即することから、その取壊し等による損失の金額は、土地等の譲渡による収入金額に対応する資産の譲渡に要した費用として譲渡所得の金額の計算上控除することとされています。
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