中小企業における「株式」の実務対応
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115第2章において、株式に関する課題を検討する際に「中長期的に必要な視点」として「経営者の保有株の円滑な承継」が挙げられていました。それでは、経営者の保有株式の承継を検討するにあたって、まずは基本的な考え方を教えてください。 後継者が安定的な経営権を確保できることが大前提 経営者が保有する株式の承継を検討するにあたって、まず必要なことは、後継者が安定した経営権を確保できるようにすることです。後継者が安定した経営権を確保することで、後継者はリーダーシップを発揮し、安心して経営に集中することができるようになります。そのため、トップが安定した経営権を確保していることは、企業が長期にわたって継続・発展するための大前提であるといえるでしょう。 安定した経営権の確保について、詳細は第3章に記載の通りですが、具体的には後継者が単独で総議決権数の過半数、できれば3分の2以上を確保できるようにすることが望ましいといえます。単独で確保することが難しい場合には、安定株主を含めて確保できるようにします。 そして、後継者が安定した経営権を確保できるように、経営者が保有している株式を後継者へ移動するための方法を検討していきます。Q4-1A後継者が安定的な経営権を確保できることが大前提1株式承継を検討する際の基本的な考え方第1節

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