中小企業における「株式」の実務対応
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第1章中小企業が直面する「株式」に関する課題5これまでは良好な関係だった株主が、ある日突然相続によってトラブルを起こす株主に入れ替わってしまうことも十分に考えられるのです。中小企業が直面する「株式」に関する課題について、まずは全体像を教えてください。 Q1-1のような点を踏まえ、中小企業が直面する「株式」に関する課題の全体像を示したものが図表1-1になります。 図表の左側の株主名簿にある通り、中小企業における株主の典型的なパターンとして、経営者、役員・社員や経営者の親族等のような個人株主、法人株主、名義株・所在不明株等があります。経営者 まず、経営者については、Q1-1で述べたように個人には寿命があり、たとえ経営者であっても、いずれは必ず引退しなければならない時期がくるため、その際には保有する株式を後継者へ移動させることが必要になります。一般的に経営者が保有する株式の比率は高いため、この移動がうまくいかないと会社経営に大きな影響を及ぼすことになります。本書では第三者に経営を委ねるM&Aについては他の書物に譲ることとし、Q1-3で親族内承継のケース、Q1-4で主に役職員に引き継ぐことを想定した親族外承継のケースを取り上げます。Q1-2A経営者1

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