歯科医院の上手なたたみ方・引き継ぎ方
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第2章 歯科医院の閉院51事前準備とは何を準備すべきなのか? 閉院を決断した院長のうちには、「自分の代で医院を閉める」と最初から閉院を決断している院長と、事業の引き継ぎや売却を検討するも後継者や売却先がうまく見つからずに閉院へと追い込まれていく院長がいます。歯科医院の経営状況が悪い中で赤字診療を続けることにより、閉院へ向けた事前準備が十分にできず、いざ閉院をしようとしたときには債務超過に陥ってしまい、倒産に追い込まれてしまう可能性があります。いずれにしても、医院が資産超過のうちに閉院まで漕ぎつけて、医院開設・運営で負った負債を完済した上で、上述の引退後の老後資金を確保することが望まれます。 債務超過による倒産を回避し、資産超過での閉院へ漕ぎつけるためにポイントとなるのは、事前準備として計画的な取り組みを行うことです。 では、具体的にどのような計画を立てるかについては、以下の点を事前に確認し、どのタイミングで閉院を行うべきか、自身の医院にとって何ができていないのか、何が足りないのかを把握しておき、閉院スケジュールを作成します。その閉院スケジュールに従って計画的に準備を進めていくことが必要となります。患者の把握 歯科医院が閉院する場合には、治療中の患者を相手としますので、医院の都合だけで閉院の時期を決めるというわけにはいきません。診療体制の縮小など閉院へ向けた地ならし的な取り組みを行います。 治療中、矯正中、インプラント中の患者について治療スケジュールを把握し、閉院のタイミングを検討します。自費診療で治療に長期間を要する治療は、閉院の意思決定を行った時点からは、新規で始めるべきではない21

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