オーナ-経営者の視点から「株式分散」問題と集約をめぐる整理・対策ポイント
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62 専門家の視点から株式の分散化が引き起こした原因と問題点(1)従業員や役員による株式の取得 オーナー経営者の意向で、従業員や役員に株式を持たせることがあります。従業員に株式を持たせるケースでは、承継対策や相続税対策という意味もありますが、社長が従業員に対する日頃の業務や愛社精神への感謝を形にしたり、あるいは、積極的に会社の業務に取り組んでもらいたいというオーナー経営者の思いが強くみられます。この場合、従業員や役員の退職時、死亡時の株式分散の事前及び事後の対策が大変重要になります。 上場を目指している中小企業では従業員や役員に対して(税制適格)ストックオプション(自社株を一定の価格で購入する権利)を付与している場合があります。実務上、従業員や役員の退職時にストックオプションの放棄証書を求めることやストックオプションの相続を認めないという仕組みに設計することで、退職や死亡した従業員又は役員のストックオプションの個数を減らすことができますが、株式の場合にはこのような手続きをとることができません。そのため、株式では、株主との株式の買取協議、株主総会等の決議や買取価格が問題となってきます。(2)事業承継対策としての株式の分散化 会社経営をする、つまりは会社を支配するためには、株主総会での決議をコントロールできるだけの株式を持つこと、代表取締役の地位を有することの2つが必要となります。一般的に、事業承継はオーナー経営者の晩年期の大仕事になりますが、生前から少しずつ株式を親族に贈与している例を見受けます。しかし、後継者に対しての贈与であれば良いのですが、会社経営に関係のない親族にまで贈与していることもしばしば見受けます。オーナー経営者側からすると、相続財産の中で相続税評価額が高くなる自社株を譲渡することで、自己の相続財産を減らすことになり、相続税対策として有益なものとなりますが、従業員、役員が経営に参画をするために株主とした場合2
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