相続税における 農地山林の評価
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は じ め に農地や山林の評価について、自信をもって「こうだ!」と言える税理士の方は、どれぐらいいらっしゃるでしょうか。実際、想像以上に頻出する「農地・山林の評価」を、専門的に扱った書籍がほとんど見つからないのです。また、農地・山林等に関する知識をあまり持たない新人スタッフの方を指導するうえでも、そういった書籍が無いことが弊害となっています。「まずは1冊読んで、ある程度理解しておいてね」といったことができないからです。「すみません! あの、父が亡くなって、生産緑地を相続するらしくて、私は耕したりできないので、税金が凄くかかるって聞いたんですけど……」「相続税を支払うために生産緑地を売却しようと思っています。さかのぼってたくさんの税金を払わないといけないって聞いたんですが……」こういったご相談をよく受けます。これは、「生産緑地であることによる固定資産税に関する優遇措置」と、「農地の相続による相続税の納税猶予」を混同してしまっている上に、「人が亡くなり」「相続が起こった」ことにパニックとなっている、典型的な例です。私たちの仕事は、こういったお客様の抱える問題を解きほぐし、順序立てて状況をお聞きすることで問題点を洗い出し、解決しながら、相続税の申告をしていくことです。この例のように、相続税の申告業務において、農地に関するご相談、ひいては「農地の評価」をする機会の多さに驚かされます。先の「生産緑地」とは、大まかに言えば「町中にある農地」であり、一見農作をされているように思えない方が、実は「農地」となる土地を持っていた、というケースが多々あります。同じく、いつも目にしていながら相続税申告時にその出現率に驚かされるのが、「山林」です。相続人すら知らされておらずに、被相続人が実は山林を所有していて、微々たる固定資産税を支払っていた記録でその事実を知った、というのも、大変よくあるケースです。結局のところ、「相続税の申告をしようと思ったら、かなりの頻度で農地・山林の評価をしなくてはならない」ということです。

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