基礎からわかる自社株評価
19/28

…職員…税理士37%控除の意味純資産価額の計算で、評価差額に対する法人税額等相当額を計算する際に37%を乗じますが、最近の法人税の税率は30%を下回っているのではないでしょうか?そうですね。しかし、37%を乗じて計算するのは、法人税額等相当額です。法人税額「等」となっています。なるほど、事業税や住民税も入っているのですね。法人税 23.4% 地方法人税1.03%(23.4%×4.4%) 事業税6.7% 地方法人特別税2.89% 道府県民税0.75%(23.4%×3.2%) 市町村民税2.27%(23.4%×9.7%)の合計です。ここ数年、国際競争の観点などから、法人に対する税率はどんどん低くなっていると聞いています。評価差額に対する法人税額等相当額の計算にも影響を与えているのでしょうか?はい、その通りです。平成24年には、評価差額に対する法人税額等相当額は42%の税率で計算していました。それが、42%→40%→38%→37%と数年ごとに変わってきています。なるほど。国税庁のホームページに評価明細書がアップロードされていますが、相続開始年によって使用する様式が異なるのは、この改正が反映されているのですね。はい、そうです。相続開始年によって使用する様式が変わるのは、これだけが理由ではありませんが、近年の様式の変更は、この税率の変更によるところが多かったですね。なるほど。どの様式を使うか、どういった改正があったかは、毎年きちんと確認しないとダメですね。他の税目に比べると、株式評価に関しては、改正がそれほど多くはないのですが、それでも注意が必要です。実務では、申告ソフトなどを使って処理することも多いですから、システムの更新料もバカにならないですね。104基礎編第6章評価明細書第2表 特定の評価会社の判定

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る