グレーゾーンから考える相続・贈与税の土地適正評価の実務
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 2点目に、裁判例等の情報は税務調査への対応に不可欠なものである。仮に課税庁と土地の評価をめぐって見解が分かれた場合、自己の行った評価を裏づける裁判所等の判断があれば、これを援用して反論できる(例えば、広大地を適用して申告した後にマンションを建てた場合、税務署は広大地を否認するかもしれない。しかし、「土地の評価はあくまでも相続時点で考えるためその後の開発の状況は影響しない」という裁決を援用して課税庁の主張に反論できる)。また評価基準のグレーゾーン(争点)をあらかじめ知っておくことで、課税庁との将来の紛争の予防にもつなげることができる。 従来の書籍は、計算例の紹介や国税庁質疑応答事例の紹介、著者の個人的見解が中心となっているが、本書は、土地評価に携わる実務家向けに、数多くある裁判例・裁決例を限られた時間の中で調査できるようポイントを抽出している。判例インデックスとして役立てていただけたら幸いである。 本書では非公開裁決も含めた裁判例・裁決情報を掲載しているが、今日その情報が収集できるのもTAINS(税理士情報ネットワークシステム)税法データーベース編集室の方々のご尽力によるものであることはいうまでもない。この場を借りて御礼申し上げたい。 最後に本書の刊行の機会を与えてくださった株式会社清文社の代表取締役小泉定裕氏、編集にご尽力いただいた編集部永見俊博氏に御礼申し上げたい。税理士 風岡 範哉平成26年5月

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