広大地評価はこう変わる
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第3章 ■ 広大地評価にみる財産評価と不動産鑑定評価42① 同一用途の不動産の需要の中心となっている価格帯及び主たる需要者の属性② 対象不動産の立地、規模、機能、周辺環境等に係る需要者の選好③ 対象不動産に係る引き合いの多寡⑵ 最有効使用の判定上の留意点について① 地域要因が変動する予測を前提とした最有効使用の判定に当たっての留意点 地域要因の変動の予測に当たっては、予測の限界を踏まえ、鑑定評価を行う時点で一般的に収集可能かつ信頼できる情報に基づき、当該変動の時期及び具体的内容についての実現の蓋然性が高いことが認められなければならない。② 建物及びその敷地の最有効使用の判定に当たっての留意点 最有効使用の観点から現実の建物の取壊しや用途変更等を想定する場合において、それらに要する費用等を勘案した経済価値と当該建物の用途等を継続する場合の経済価値とを比較考量するに当たっては、特に下記の内容に留意すべきである。ア 物理的、法的にみた当該建物の取壊し、用途変更等の実現可能性イ 建物の取壊し、用途変更後における対象不動産の競争力の程度等を踏まえた収益の変動予測の不確実性及び取壊し、用途変更に要する期間中の逸失利益の程度○見込地とは、宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地をいい、宅地見込地、農地見込地等に分けられる。○移行地とは、宅地地域、農地地域等のうちにあって、細分されたある種別の地域から他の種別の地域へと移行しつつある地域のうちにある土地をいう。※ 上記Ⅳ1.⑵「近隣地域の範囲の判定について」の基準と国税庁ホームページ質疑応答事例の「その地域」の範囲の判定→№4-1とが実質的に同じであることがおわかりいただけると思います。⑶ 広大地評価における上記概念の借用 「最有効使用」とは、広大地通達にある「経済的に最も合理的な使用方法」をいうもので、資産評価企画官情報においては、次のように借用されています。 また、「標準的使用」の概念も平成16年の通達改正に伴い、平成16年情報においてはじめて使用されています。 主としてマンション適地の判定部分に借用されています。平成16年情報(略)⑵ 広大地の範囲 評価通達における広大地は、①戸建住宅分譲用地として開発され、道路等の潰れ地が生じる土地を前提としていること、また、②「対象地がその存する地域の標準的な画地との比較において広大地と判定される画地であっても、一体利用することが市場の需給関係等を勘案して合理的と認められる場合には、地積過大による減価を行う必要がない」(「土地価格比準表の取扱いについて」国土交通省)とされていることなどから、その宅地を中高層の集合住宅等の敷地として使用するのが最有効使用である場合、いわゆるマンション適地等については、広大地には該当しない旨を通達の中で明らかにした。(中略)
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