Ⅱ 経営承継法(民法特例)の内容11具体例前項Ⅰの①の図で、贈与された自社株式を、遺留分算定の基礎財産の対象外とする合意のことです。条文前号に規定する株式等の全部又は一部について、遺留分を算定するための財産の価額に算入すべき価額を当該合意の時における価額(弁護士、弁護士法人、公認会計士(公認会計士法第16条の₂第₅項に規定する外国公認会計士を含む。)、監査法人、税理士又は税理士法人がその時における相当な価額として証明をしたものに限る。)とすること。内容・生前贈与後に株式価値が後継者の貢献により上昇した場合でも、遺留分の算定に際しては相続開始時点の上昇後の評価で計算されてしまいます。このため、経済産業大臣の確認を受けた後継者が、遺留分権利者全員との合意内容について家庭裁判所の許可を受けることで、遺留分の算定に際して、生前贈与株式の価額を当該合意時の評価額で予め固定することができます。・後継者が旧代表者からの贈与等により取得した株式等につき固定合意をすることにより、当該株式等につき遺留分算定基礎財産に算入する価額が当該合意時における価額に固定されます。旧代表者の相続開始時までに当該株式等の価値が上昇しても、非後継者の遺留分の額が増大することはなく、後継者は、企業価値向上を目指して経営に専念することができます。具体例上記Ⅰの②の図で、贈与された自社株式について、贈与時点の評価額3,000万円を遺留分算定の基礎財産の価額とする合意のことです。上記の除外合意又は固定合意に併せて付随合意をすることができます。すなわち、株式等以外の事業用資産等についても民法特例の対象とすることができます。後継者が経営者から贈与を受けた株式について、事前に後継者以外の親族と合意し、経済産業大臣の確認を受けることにより、遺留分放棄の法的確定に係る家庭裁判所の申請手続を後継者単独で行うことができます。₂.固定合意(贈与株式の評価額を予め固定できる制度)₃.付随合意等
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