相続税対策としての家族信託
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181家族信託とは① 商事信託と民事信託の違いB信託会社受託者A委託者A受益者賃貸ビル家賃収入 例えば、Aが自分の持っている貸ビルをB信託会社(B社)に信託したとします。当然、ビル名義はB社になります。そこで信託契約で、テナントの管理、入退去、管理費用、固定資産税、損害保険などの契約もB社が当事者となります。賃料も当然B社に入りますが、総収入の5%をB社の信託報酬として、それを差し引いた残額はA(委託者=受益者)の口座に毎月振込むという契約をしたとします。 B社は信託を業として行っているのであり、それによって成り立っている会社でもあります。これを商事信託と呼びます。もう一つの信託は民事信託といいます。 商事信託とは、信託の受託者が業として委託者から信託財産を引き受ける信託です。信託業は、受託者が委託者から信託報酬を得て、成り立っています。受託者は委託者からの信任をもって財産を預かるので、信託会社や信託銀行など金融庁からの免許がないと業務をすることができません。そして、信託業を営むについては「信託業法」の縛りがあります。 委託者からの信託財産を預かり、管理、運用、処分について不特定多家族信託のしくみ第3節
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