相続税対策としての家族信託
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第1章●ここがポイント!家族信託の基礎知識212委託者とは長男受託者父委託者父受益者信託財産利益 委託者とは、財産権を受託者に引き渡し、信託を設定する者のことをいいます。自己の所有する財産について信託契約を締結する方法や遺言をする方法などによって、受託者にその財産の名義や管理・処分権を移転させ、信託の目的に従って、その受託者にその信託財産を運用・管理・処分してもらうことを委託するものです。 家族信託では、例えば委託者が父、受託者が長男です。家族信託では通常、税制面のこともあり、委託者=受益者です。 遺言信託による場合、委託者の地位は相続されず、被相続人(委託者)としての権利は相続人に承継されません。これは委託者の死後、委託者の相続人と受益者との利害関係が対立しやすいことが容易に想像できるからとされています。ただし、委託者の相続人は、信託行為(例えば信託契約や遺言)による残余財産については、受益者や帰属者がいない場合に限り、その残余財産の帰属権利者になれます。
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