そして、同じ駐車場でも都心の駐車場と田舎のそれとでは意味合いが異なるということを認識しなくてはいけません。商業ビルや居住用のマンションのニーズがある都心で、あえて投資効率の悪い駐車場を経営する意味はあるのでしょうか。居住用のニーズがほとんどない田舎で、駐車場を経営する意図は何なのでしょうか。はたしてそれぞれの選択は、しっかりと考え抜かれた結果なのでしょうか。多くは、なんとなく駐車場にしているだけではないでしょうか。3相続税視点からの問題【事例】弟が兄の土地に家を建てて、固定資産税相当額よりも安い地代で借り受けていたケースです。40年前に兄A(当時45歳)の土地に、弟B(当時40歳)が自宅を建て、それ以来ずっと固定資産税相当額よりも安い地代を支払って兄から土地を借りていました。その兄Aが85歳で亡くなり、兄の子C(弟Bから見れば甥)からAの相続税申告の相談を受けたときの事例です。もし、この取引の地代が第三者に貸す場合と同じ水準で賃貸借していれば、相続税上この土地は「貸かし宅たく地ち」となり、借主に相続税の計算上「借しゃく地ち権けん」(ここでいう「借地権」は借地借家法の借地権とは同じ単語ですが、それとは違う相続税計算上の概念)が認められることとなります。この場合、貸主の土地の評価は更地(相続税では「自じ用よう地ち」といいます)の土地評価額から借主の有する借地権相当額を控除した金額になります(最低でも30%減となります)。つまり、自用地評価額が100だったら、貸宅地評価は70(場合によっては60や50になることもあり得ます)となり、その分相続税は安くなります。しかし、この兄弟の間では、固定資産税相当額よりも安い地代のやりとりしかしていませんでした。第3章事例でわかる今ある資産を負動産化させない方法61
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