第1節 債務控除191の計算上、住宅ローン残高を債務として差し引くことはできません19。【ケース】 私(相続人)は、夫(被相続人)の死亡に伴い、夫の財産(土地・建物)を相続しました。 自宅である土地・建物は5年前に購入したもので、住宅ローンの残高は相続開始日現在で800万円ありました。 なお、住宅ローンの残高は、団体信用生命保険契約により、後日、全額が免除されました。【取扱い】 団体信用生命保険契約により返済が免除される住宅ローンは、相続人が支払う必要のない債務であるため債務控除することができません。7遺言執行費用と債務控除相続税の課税価格の計算上、控除できる債務の金額は、被相続人の債務で相続開始の際に現に存するものに限られています。したがって、遺言執行費用のような「相続財産の管理に関する費用」は、相続開始後に発生するものとなり、債務控除の要件である①被相続人への帰属性、②相続開始時における現存性を満たさないので、相続税の課税価格の計算上、控除される債務とはなりません。なお、相続財産の管理に関する費用には、次のようなものがあります。① 相続の承認又は放棄前の相続人による相続財産の管理費用② 限定承認者による相続財産の継続管理費用③ 相続を放棄した者の放棄後、次順位の相続人が管理するまでの間の相19 国税庁ホームページ「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集⑬」
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