はじめに平成24年に3党合意による『社会保障と税の一体改革』に基づき消費税法が改正され、平成26年4月1日に消費税率が5%から8%に引き上げられました。なお、当時の改正消費税法においては、消費税率の2段階引上げを前提としており、平成27年10月1日から消費税率は10%へ引き上げられる予定でしたが、2段階目の引上げについては、経済状況等を総合的に勘案し、増税の時期を延期することを規定している景気条項に基づき、10%への引上げ時期を平成29年4月1日とし、1年半延期することとなりました。さらに、平成28年度の税制改正において、平成29年4月1日の消費税率の10%引上げと同時に、低所得者への配慮という観点から、飲食料品の譲渡と新聞の譲渡を対象とする軽減税率制度を導入することが決定されました。なお、平成28年度の税制改正においては、軽減税率制度導入の4年後を施行日として、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)を導入することも決定されました。しかしながら、平成28年11月において、世界経済が不透明感を増している、増税すれば内需を腰折れさせかねないなどの理由から、消費税率の10%引上げ及び軽減税率制度の施行日を平成31年10月1日と再度2年半の延期を行いました(インボイス制度は、その4年後の平成35年10月1日を施行日とされました)。このように近年の消費税については、施行日の変更、消費税率の引上げ、軽減税率制度の導入、インボイス制度の導入と様々な改正が行われることとなり、これらに対応するため事業者側の事務負担等が増大することが想
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