仮装経理の実務対応
28/32

第13章●参 考 判 決 …… 191盛岡地裁 平17年9月30日判決(TAINSコード:Z255-10149)盛岡地方裁判所平成16年(行ウ)第9号法人税更正処分等取消請求事件(棄却)(確定)●事件の概要●建設業を営む同族法人が、仮装経理により過大となった完成工事未収入金残高について、その減額を目的として完成工事原価である外注加工費を計上した経理処理に対して、税務署長が青色取消処分と法人税更正処分および重加算税の賦課決定処分を行い、同法人がこれらの処分の違法を主張し、その取消しを求めた事件【当裁判所の判断】1 本件青色取消処分について判示(1)(1)  法127条1項は、青色申告の承認を受けた内国法人について、その事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠ぺい又は仮装して記載し、その他その記載をした事項の全体について、その真実性を疑うに足りる相当の理由がある(同項3号)場合には、当該事業年度までさかのぼって、その承認を取り消すことができる旨規定している。ここで「隠ぺい」とは、売上除外、証拠書類の破棄等課税要件に該当する事実の全部又は一部を隠すことをいい、「仮装」とは、架空仕入れ、架空経費の計上など存在しない課税要件を存在するかのようにみせかけることをいうものと解される。判示(2)(2)  前記前提事実のとおり、原告は、過去の仮装経理により過大に計上された完成工事未収入金残高を減額するため、平成10年6月期について、当該事業年度の完成工事原価を計上する科目である外注加工費勘

元のページ  ../index.html#28

このブックを見る