NPO法人 仕訳処理ハンドブック
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はしがき平成10年の特定非営利活動促進法の施行から約18年が経過し、特定非営利活動法人の数も5万法人を突破(平成27年11月30日現在。内閣府NPOホームページより)しました。今後も地域社会の活動を行う際の受け皿としてさらに法人数は増加していくものと思われます。特定非営利活動法人は、計算書類の所轄庁への提出や、助成金等の申請・報告、認定申請の基準の1つである経理の適切性など、経理事務の負担は軽くありません。また、平成22年にNPO法人会計基準が制定され、平成23年の特定非営利活動促進法の改正により計算書類のうち収支計算書が活動計算書へ改められるなど、経理業務を取り巻く環境は変化しています。ところが、専属の経理担当者を設置できているのはわずか18%(平成26年特定非営利活動法人に関する実態調査)にすぎず、60%以上がほかの業務との兼任担当者です。同実態調査によると特定非営利活動事業の収益も1,000万円以下の法人が40%を超えており、経理の専門知識を持った担当者を設置することはおろか、会計事務所への依頼も資金面からできない法人が多いのが現状です。特定非営利活動法人向けの書籍は、制度に関するものや税務の解説書が多く、経理担当者向けの経理処理に焦点をあてた書籍はあまりありません。日々の経理業務を助ける書籍が不足しているという思いから本書を作成しました。ぜひ日々の取引で不明な経理処理があるときは本書を辞書代わりに引いていただき、法人の運営に役立てることを心より願って本書を上梓いたします。最後に、このハンドブックの刊行についてご尽力いただいた清文社の橋詰守氏並びに中村麻美氏に厚くお礼を申し上げます。平成28年1月林 孝行岩田聡子     

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