建設業の経理 №74
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クラウド・コンピューティングが建設業会計をどう変える!?青山学院大学 名誉教授 東海 幹夫Cloud Computingダイテック社の取り組みに知るクラウドはどのように企業経営に関与するかクラウド・コンピューティングによる経営革新が,雲(クラウド)をつかむ話ではなさそうな環境になってきている。企業のIT化は,クラウド・コンピューティングの普及によって新たな経営革新の時代に入ろうとしている。経済産業省は,2015年6月,民間企業における情報処理の実態把握を目的として,1万1,730事業者に対して実施した「情報処理実態調査」の結果を発表した。これによれば,ITの活用による新ビジネスモデルの創出やビジネス領域の拡大は,導入形態における精粗の差を除けば,ようやく50%に近づこうとしているという。この調査において,クラウドの利用率は,年々増加傾向にあってその比率は35.2%になっている。また,今後のクラウド・コンピューティングの導入に関する関心は,「具体的に導入を予定している」が21.9%,「導入計画はないが関心がある」が43.3%に達している。これらの実態調査等の分析を待つまでもなく,これからの企業経営へ与えるクラウド・コンピューティングの影響は,ますます高まっていくという見解に異論はないだろう。クラウドが企業とその経営をどのような方向へ導くか,おおいに関心を高める必要がある。クラウドによる経理業務の変革1990年代には,パッケージソフトが経理システムを変革して経理業務のコンピュータ化をもたらした。特に中小企業においては,いわゆる「会計ソフト」が記帳から決算までの一般会計業務をコンピュータ化する実務が普及した。ただし,このような動向はあくまでも個別企業の中でのシステムづくりの問題にとどまっている。2000年代半ばになると大手のソフトウェア・ベンダーは,個別企業のコンピュータ化事業から,大企業と中小企業の区別なく,超企業化したクラウド上で経理の全般業務を実行する商品化に関し急速にその歩を早めた。これによって,経理は,まず記帳して保存し,このSpring2016建設業の経理35
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