「建設業の経理」№76
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受注高10億円以上の国内大規模工事については,前年度比0.8%増の8兆9,039億円となった。大規模工事の国内工事全体に占める割合は65.1%で,前年度の65.0%から大きな変化は見られない。発注者別にみると,民間工事は同11.7%増の6兆3,800億円,公共工事は同19.1%減の2兆5,239億円であった。工事種別にみると,建築工事が同7.5%増の6兆5,709億円,土木工事は同14.1%減の2兆3,330億円であった。1)民間工事は,情報通信業や電気・ガス・熱供給・水道業,卸売業・小売業が減少するも,農林漁業や不動産業,製造業などの増加により5年連続で増加民間工事は前述のとおり,前年度比7.9%増の9兆5,963億円と5年連続で増加した。発注者別にみると,増加金額の大きい順には,不動産業が同17.9%増の2兆6,330億円,製造業が同16.4%増の1兆9,505億円,運輸業・郵便業が同16.2%増の9,979億円と続く一方,減少金額の大きい順には,情報通信業が同25.5%減の2,934億円,電気・ガス・熱供給・水道業が同10.0%減の5,530億円,卸売業・小売業が同2.9%減の3,996億円となっている。情報通信業の投資意欲が一段落しつつあるものの,昨年度に引き続き,不動産業や製造業,運輸業・郵便業において設備投資が活発化していることが奏功している。2)公共工事は,ほぼ全ての機関で減少公共工事は前述のとおり,前年度比15.6%減の3兆5,685億円と5年振りに減少した。発注者別にみると,独立行政法人が同14.2%増の4,700億円となった以外は減少に転じている。減少金額の大きい順には,政府関連企業等が同21.0%減の9,272億円,国が同17.5%減の9,564億円,都道府県が同30.0%減の3,789億円,地方公営企業が同28.0%減の1,886億円,市区町村が同6.9%減の5,761億円と続く。東日本大震災の復興関連事業が一段落しつつあることがうかがえる。3)国内建築工事は,店舗や教育・研究・文化施設,医療・福祉施設が減少するも,宿泊施設や工場・発電所,倉庫・流通施設などの増加により5年連続で増加国内建築工事は,前年度比6.1%増の9兆3,212億円と5年連続で増加した。工事種類別にみると,増加金額の大きい順には,工場・発電所が同22.2%増の1兆4,047億円,住宅が同14.7%増の1兆7,196億円,倉庫・流通施設が同17.5%増の6,312億円,宿泊施設が同28.4%増の3,094億円,事務所・庁舎が同1.3%増の2兆975億円と続く一方,減少金額の大きい順には,店舗が同16.5%減の4,948億円,教育・研究・文化施設が同7.0%減の8,777億円,医療・福祉施設が同1.8%減の8,435億円となっている。全般的には,緩やかな景気回復基調が表れている。4)土木工事は,鉄道や港湾・空港,電線路が増加するも,治山・治水や道路,上水道・下水道などの減少により5年振りに減少国内土木工事は,前年度比9.4%減の4兆3,568億円と5年振りに減少した。工事種類別にみると,増加金額の大きい順には,鉄道が同40.8%増の5,621億円,空港・港湾が同25.6%増の2,792億円,電線路が同0.8%増の1,678億円と続く一方,減少金額の大きい順には,道特別記事2016年3月決算と今後の業界動向16建設業の経理Autumn2016
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