はじめに頼される人」、「人徳のある人」や「成功している人」などに、共通すると思われる言動に気づき、それを自らも体験し、「これを多くの人に知ってもらいたい」と思ったからです。それこそが、本書最大のテーマである『利他』なのです。 昨今、人を区別する見方として、勝ち組になるか、負け組になるかのような二者択一的な価値観が蔓はびこ延っています。誰もが、勝ち組に入りたいことでしょう。勝つことが主眼になると、手段を選ばないということにもなり、結果だけが重視されるようになります。だから、不正をする人も出てくるのだと思います。尊敬されるべき立場にある政治家にも、勝てば官軍のごとく、手段を選ばず、ばれなければ不正も平気、いざとなればごまかせばいいというような人がいます。国民の見本となる政治家に、徳育の欠けた人は不要です。政治家に求められるのは、無私の精神を持ち、自己犠牲を厭いとわず国民の幸せを追求することであるはずです。その姿勢こそ、私がこれまで教わってきた「利他」に他なりません。 本書を読み進んでくだされば、利他の意味するところがご理解して頂けます。そして、利他の行いをされますと、人を幸せな気分にさせ、その結果として自らも幸せを感じることになり、自分の人生がより良い方向に向かっていることが自覚できます。日常的に利他の行いができれば、人生を豊かにします。そうなることは必然なのです。なぜなら、それ
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